合同会社設立時の事前準備

よく会社を設立したいという方から「何を決めればいいか」と聞かれることがあります。
急ぎ会社を立ち上げることを目標としている場合「細かいことはさておいて」と言われる方がいますが、１人会社であればそれでも良いのですが、複数で立ち上げる場合、特に家族・親族以外の他人と一緒に立ち上げる場合は、その細かい部分を決めておかないと後々トラブルとなるリスクがあります。
株式会社と異なり出資と経営が分離されず、出資者＝経営者となる合同会社であればこそ、誰が代表者となってかじ取りをするのか？複数の者が代表者でそれぞれ単独で契約等を行えるようにするのか？利益の分配はどうするのか？等々事前に決めておくことは意外と多くあります。
また、そのような基本的な部分を決めてもらわないと、我々のような士業の者が定款を作ってくれと頼まれても作りようがありません。
いまやインターネトが普及し、ネット検索すれば定款のひな形もゴロゴロ出てくる便利な時代です。これから会社を立ち上げようとする方は、一度ひな形を印字してから自分がこれからやりたいと思っている会社に置き換えて、条文ごとに自分の想いを書き込んでいくのも一つの方法です。定款に記載するのはあくまで基本的な事項にはなりますが、その方が最低限の必要事項を漏れなく検討できるはずです。
数人で会社を立ち上げる場合は、それぞれがその想いを明確にして議論し方向性を明確にしていくのも良いでしょう。そして概要がある程度まとまった時点で専門家に相談し、会社の憲法ともいうべき定款を完成していくことが最も効率的な方法だと思います。
「急がば回れ」と言う諺がありますが、仕事をしても事前の段取りが大切なように、急ぐからこそ事前の慎重な検討が必要となってきます。
早く定款を作って登記を済ませたい気持ちは分かりますが、定款の「目的」一つをとっても、その内容はもちろん書きぶりなども大切です。登記の際に補正が入ると時間のロスが生じるし、何より登記後に変更や追加するのでは登録免許税などの費用が別途かかってしまいます。
今は当事務所を含めて部分的にサポートしてくれる士業も多くなりました。自分で全て行う自己流も結構ですが、必要なところは専門家に相談するなど上手く専門家を活用すると良いのではないでしょうか。