遺言で気を付けたいこと
2025/05/21
遺言を作成するに当たって注意すべき点は、まず、遺言による公平な遺産相続を実現するということですが、法定相続に関する規定は、一般的な家族関係を想定して設けられているので、これをそれぞれの具体的な家族関係に当てはめると、相続人間の実質的な公平が図れないという場合も少なくありません。
例えば、法定相続では、子が3人いる場合は、皆等しく平等の相続分を有しているものの、早くから家業を継いで遺言者と一緒になって苦労や困難を共にして頑張ってきた子Aと、若くして家を離れ余り家に寄り付かない子Bを同じに扱うことで、表面状は平等に扱ったつもりでも、Aにとっては、かえって不公平ということにもなりかねません。
法定相続でも、寄与分(財産の維持や増加に貢献した相続人)の制度はありますが、寄与分が認められるための手続が煩雑である上、裁判所が認める寄与分は一般の人が思うようなものではないとされています。
遺言者が、自分の家族関係をよく頭に入れて、その家族状況に合った相続の仕方を遺言できちんと決めておくことは、後に残された者、特に家業を承継して親の面倒を見てきた者や時間を割いて献身的に身上看護を行ってきた者など、遺言者の生活に密接にかかわってきた者にとっては、これまでの貢献に報いてもらうとても有り難いことでもあります。
改めて、遺言とは自分の財産を誰にどのように残したいかを決め、書面で意思表示する制度です。だからこそ、相続人みんなが納得できるように、生前に家族会議を開くなど遺言者自身の想いを相続人となるべき者に伝え、みんなに納得してもらったうえで、その内容を遺言書という書面にして残すといった方法がベストではないでしょうか。
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