行政書士谷村日出男総合事務所

相続財産を負動産にさせない対策(その5)

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相続財産を負動産にさせない対策(その5)

相続財産を負動産にさせない対策(その5)

2025/08/16

相続財産を負動産にさせない対策(その5)
建物が古いとか修繕費用が多く掛かるため現状のままでは処分困難という場合は、更地にしてから売却する方が処分しやすいという場合もあります。そういった場合は解体費用が問題となってきます。
解体費用の目安ですが、木造家屋であれば1坪当たり3万円~5万円、鉄骨造だと4万円~6万円、鉄筋コンクリートの場合は5万円~8万円と言われています。また、その費用は年々高騰しています。
金額の差は、解体する建物の場所や道路事情、近隣の家屋との距離など様々な条件によって異なります。
近隣との距離が少ない場合は、解体する際に境界や近隣家屋への養生が必要になるし、道路事情が悪ければ大型の重機が入らないうえ、解体した廃材等を運び出すのに小型のトラックで運ぶ回数を増やさざるをえなくなります。そうした様々な事情から金額に差が出るのです。
ちなみに私も10年以上前に、15,6坪の二階建て木造住宅を解体したことがありますが、道幅が4m弱と狭かったため、大型のトラックが入らず4トン車を使用したため、荷物がなく空き家だったにもかかわらず当時で80万円ほどの費用がかかりました。つまり、解体費用として現在の平均的な目安の上限である1坪5万円以上の費用がかかった計算になります。
家財道具もそのままで解体を発注すれば、解体費用にプラスして残置物処理費用として数十万円の上乗せ費用が掛かることになります。私の場合は現地から離れた所に住んでいたため、知人を通じて1社のみの見積もりを取っていきなり発注したため、解体後期間をおいて現地確認したら十分な養生をせず汚水桝を重機で踏み割るといった問題も発生しましたし、後に同業者から費用が高すぎると教えられ、相見積もりを取ってよく比較してから発注すれば良かったと後悔しました。
業者によって自社処分場を持っている業者もいればそうでない業者もあり、また、解体専門業者か他の土木等も手掛ける業者かなど、技術や装備の違いもあると思われるので、なるべく数社から相見積もりを取って、打合せしてから発注することをお勧めします。
また、私は当時転勤で遠方にいたため補助金なども一切利用しませんでしたが、現在は、どこの自治体でも老巧危険空家除去事業やブロック塀当安全対策補助事業といった様々な補助金制度もあり、上限で80万円~100万円ほどの補助金を受けることも可能です。ただし、補助金には時限的なものが多く、いつでも使えるといったものが少ないため、行政のホームページで検索したり直接役所に問い合わせて確認することが必要です。1年に何度かに分けて公募したり、毎年繰り返し期間を設けで公募している補助事業もあります。
更地にすれば、土地の利用価値も高くなることから、売却できる」可能性も高くなります。売却する場合は、不動産業者に仲介してもらうほか、直接買い取りして貰うことも可能ですし、例えば隣接する近隣住民の方に直接譲渡することも考えられます。
また、お金にこだわらないのであれば、公益法人や自治体への寄付を考えるのも一考です。維持費から解放され、何より社会貢献にもつながります。古家が付いたままではどこも受け取ってくれませんが、更地なら喜んで寄付を受けてくれるところもあるはずです。
最後に“相続土地国庫帰属制度”を利用する方法もあります。相続土地国庫帰属制度とは、相続や遺贈によって取得した土地を、一定の要件を満たす場合に国に引き渡すことができる制度で、令和5年4月27日から施行され、土地の管理が困難な相続人にとって有力な選択肢となっています。
対象となる土地は、宅地に限らず農地や山林なども対象となります。ただし、建物がある土地、担保権や使用収益権が設定されている土地、境界が不明確な土地、土壌汚染や災害リスクがある土地、通行困難な土地(公道に接していないなど)は対象外となります。
相続土地国庫帰属制度の利用については、その条件がかなり細かいので次回のブログで触れたいと思います。
 

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