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令和の相続法改正(配偶者居住権の創設)

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令和の相続法改正(配偶者居住権の創設)

令和の相続法改正(配偶者居住権の創設)

2026/01/21

相続手続き令和の法改正(No11)
改正の11番目は、配偶者居住権の創設です。
配偶者居住権は、2020年4月1日に施行された民法改正によって新設された制度で、残された配偶者が住み慣れた自宅に無償で住み続ける権利を保障するものです。これは高齢化社会における配偶者保護の観点から導入されました。
配偶者の居住安定と生活資金の確保を両立させることを目的に、所有権とは別に賃借権に類似した法定債権(配偶者居住権)を創設し、原則として配偶者が一身専属的に終身まで権利行使することが可能です。ただし協議や審判で期間指定も可能となります。
配偶者居住権が認められるための要件として、
① 被相続人の配偶者であること(内縁関係は対象外)
② 相続開始時に被相続人所有の建物に居住していたこと
③ 建物が被相続人の単独所有または配偶者との共有であること
④ 遺産分割・遺贈・死因贈与などで配偶者居住権を取得する旨が定められていること
が必要となります。また、第三者への対抗要件として登記が必要です。
配偶者居住権は所有権よりも低額評価されるため、配偶者が他の財産(預貯金など)を多く取得しやすくなるといった効果のほか、副次的な効果として税務上のメリットも挙げられます。

また、この配偶者居住権とは別に「配偶者短期居住権」があり、被相続人(亡くなった方)の配偶者が、自宅に一定期間“無償で住み続けられる”ことを法律で保障した権利という点では両者に違いはありませんが、配偶者居住権が原則終身であるのに対し、配偶者短期居住権は遺産分割が終わるまで、または最長6か月間の短期間の保護を目的としています。
「急に家を出ていけ」と言われることを防ぐための“暫定的な保護、登記不用の一時的な権利です。遺産分割や遺贈等といった取得方法を要せず、相続開始時の事実(占有)のみで足ります。
配偶者短期居住権が役立つ場面としては、例えば
◆遺言で配偶者が居住している家が子どもに相続されていた場合
◆相続人間で遺産分割協議が難航し揉めている場合
◆配偶者が高齢で急な転居が困難な場合
◆相続手続中に住む場所を確保したい場合など
新たな居住場所を確保するのに一定の時間を要するようなケースでの効果が期待されます。

こうした新制度の創設によって、連れ添った夫婦の片方が死亡することで精神的にも辛い思いをなさっている配偶者にとって、生活の拠点が確保されることで憂いなく安定した日常が遅れることが期待されます。令和の法改正の中でも遺族に寄り添うという意味で本当に効果の大きい制度と言えるのではないでしょうか。
 

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